拒絶の理由を発見しないから

その責めに帰することができない理由でブログを書いています

牛久旅行

 とある事情で旅行に行かねばならないことになった。どこへ行くか。人が密集する地域は避けたい。また公共交通機関も使いたくない。従って高速道路のインターチェンジがあり,かつ何があるのかよく分からない地域が良いと判断した。

 最初に候補に挙がったのは新潟市である。日本海側唯一の政令指定都市で,人口80万人であり人がたくさんいそうに見えるが,人口密度はあきる野市と同じくらい。中心部を除けば何があるのかよく分からないと言える。佐潟で白鳥でも見ようと思ったが,2月中旬に明けるはずだったまん延防止等重点措置が延長されたため断念した。3月になると白鳥の数が激減するからである。

 次に候補に挙がったのは茨城県である。茨城県はひたちなかとつくばには行ったことがあるが,龍ケ崎のあたりは行ったことがなかった。更に,この辺りには何があるのかよく分からないため,都合が良かった。

 龍ケ崎市の観光情報を見てもピンと来なかったため,隣の牛久市の観光情報を見ると,「牛久シャトー」なるものがあった。日本初のワイン醸造所で,今は作っていないという。これは面白い。色々と調べてみても人がいっぱい来ている様子はない。なお良い。

 とはいえ,これだけでは泊まりがけの旅行にはならないだろうと判断し,やむを得ず水戸市を行き先に加えることにした。なお,水戸市の人口密度は新潟市より大きい。

 水戸と言えば2年前の言語処理学会の開催地であり,ダイヤモンド・プリンセス号の事件で現地開催が見送られたこともあって私にとっては行けると思っていたのに行けなかった場所である。偕楽園には是非行ってみたいと思っていたが,ちょうど梅まつりの開催時期であり,混雑が予想される。そこで平日に行くことにした。また,夜にチーム・ラボがその過去の活動から予想されるような何かをすることになっていたので,これを避けることにした。

親沢公園(おやざわこうえん)

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 茨城町(いばらきまち)にある親沢公園の風景である。夕日がとてもきれいな名勝らしい。日が暮れるまで待てなかったのでこの程度であるが,なかなか景色の良いところであった。なおこの水域は海ではない。涸沼(ひぬま)と呼ばれる湖である。

 キャンプ場が併設されており,何組かキャンプをしている人がいた。

徳川ミュージアム

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 偕楽園に入りたかったが,道路が複雑で駐車場もよく分からなかったので,近くにあった徳川ミュージアムに入った。うっかりしていたが,水戸と言えば水戸徳川家,御三家である。

 駐車場は無料だが,入場料が1,500円という高さ。文化財の維持のためには已むなし。散逸しないよう公益財団法人にして博物館をやってくれているのは大変ありがたい。徳川家はいくつかの家がこれをやっている。宗家は徳川記念財団,尾張は徳川黎明会である。紀州はなぜかやっていない。

 展示はなかなか良く,古い物では徳川光圀所有の印籠(使用していたわけではないらしい)もあり,新しい物ではローバーの展示もあった。

牛久シャトー

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 雰囲気が良い。中は神谷傳兵衛とシャトーカミヤ(牛久シャトーの元々の名称)にまつわる様々な展示で構成されている。地下には樽が大量に並べられている(真っ暗なのでスルーしている客が多かった)。

 神谷の作った会社は合併を経て現在はオエノンホールディングス(2533)となっている。重要文化財に指定されたとはいえ,それまでよく潰さずにいてくれたと思う。併設するレストランや土産店は一度閉鎖されたが,その後牛久市が借り上げてなんとか運営しているようだ。

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 醸造に使っていた機械類の展示と並んで面白いのが,当時の様々な記録である。国産ワインを作るためにフランスと行き来していた頃の資料(当然フランス語である)であるとか,広告であるとか,表彰状・メダルであるとか,そういったものは見ていて飽きない。
 レストランが併設されているのだが,こういうところにあるレストランは何の脈絡もない料理が法外な値段で提供されるのが普通と思われるところ,ワイン醸造所の文脈のおかげか,フレンチであった。もはやここではワインは作っていないのだが,レストランではワインが飲める。

 それにしてもランチだというのにメニューは3種類で全てコース料理であった。軽く食事をするつもりだったのだが,真ん中のコース(ヴァン)を選んだところ,食事に1時間以上かかった。お腹いっぱいである。3,500円でこれなら文句の付けようがないだろう。車のため酒は飲めないから(コース名はヴァンなのにw),土産店にあった葡萄ジュースを試飲すべく注文した。「大浦葡萄ジュース」で,白がデラウェア,赤がブラック・クイーンである。いずれも山形産である。

 牛久シャトーの見学者の少なさとは裏腹に,レストランは満席であった。どうも法事の後のような客もいて,もしかすると牛久市できちんとしたものを食べようとしたらこのレストランが筆頭なのかもしれない。

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 オエノンという社名にピンと来なかったのだが,鍛高譚の会社である。牛久シャトーの敷地内にオエノンミュージアムなるものがあるのだが,ここはひたすら焼酎が展示されており,焼酎好きには良いだろう(私は焼酎はサッパリなので足早に見て回った)。

 この後牛久沼を見に行こうと思っていたのだが,牛久シャトーに3時間も滞在してしまいその時間はなくなった。

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