拒絶の理由を発見しないから

その責めに帰することができない理由でブログを書いています

藤子・F・不二雄大全集(1)

 藤子・F・不二雄大全集の電子版が事実上の半額だったので思い切って購入した。頑張って読むぞ。

 第1巻の巻末にある解説が良い。「なんで?」と思っていた部分を見事に書いてくれている。

 以下,各話の感想。

未来の国からはるばると

「のどかなお正月だなあ」はもうドラえもん第1巻を連想させる言葉として定着している。僕が好きなのは餅を「うまいもんだなあ」と言って平らげるシーン。この時は「しずかちゃん」だ。コロ助みたいに目が互い違いになるのも特徴的。

ドラえもんの大予言

これは昔からしっくりこない話。終始違和感がつきまとう,不思議なテンポで話が進んでいく。何から何までおかしく,ギャグ漫画として捉えるべきであろう。ここでもまだ「ヘリトンボ」である。

けんかマシン

「平和主義者」のような難しい単語がのび太の口から2回も出ているところが面白い。

机からとび出したドラえもん

学年誌は同時連載だったようだ。3年生ではこの話から始まっていることになる。会社でしっぱいしてくびになったという記述があるが,どこにも入社できず自分で会社を興したことと相違する。その後宝くじを当てて会社を興したことになっている。尻尾を引くと姿が消えるのはこの時からの設定のようだ。

愛妻ジャイ子!?

ジャイ子と結婚する未来を変える試みが為されていたことは驚きである。いつからかしずちゃんと結婚することになっているので,こういう経過は重要だ。

のび太が強くなる

コンピュータペンシルの原型が示されることに驚いた。また,「正義のみかたセルフ仮面」を思い出させる内容である。

おいかけテレビ

ドラえもんの馬鹿さ加減が良い。スイッチを切っても映っているところは何度見ても面白い。

㊙スパイ大作戦

掃除を一人でやったことをメモして「後でばらしてやる」と言っているが,どうやってばらすのかずっと気になっている。おねしょは決定的だが,美しいという言葉は・・・はスネ夫にとってはダメージはないように思う。

白ゆりのような女の子

「忘れもしない」といって日付を言うシーンは「プロポーズ作戦」にも見られる。お気に入りの言い回しか。それにしても冒頭の女の子と間抜け面ののび太の対比が良い。

ロボット福の神

終盤の展開が急なのが良い。「あやとり世界」や「ペコペコバッタ」よりも大げさで良い。

のぞきお化け

宇宙人オチが残念。自由研究ネタは結構あるよね。創生日記とか。

ああ,好き,好き,好き!

まだ「ヘリトンボ」だ。何度見ても「うふっ,おもしろそうですね」の表情がウケる。転勤と言えばアメリカなのはなぜなのか(「ためしにさようなら」)。

ペコペコバッタ

最初の責任転嫁は見事。どでかいハンマーはどこから出てきたのか。警官が自分で代用監獄に入っているのが最高。ベトナム戦争にまで責任を感じてしまうのはどういった理屈なのだろうか。

わすれとんかち

結局記憶喪失だったのか何だったのか詳細が分からずもやもやする話。

タイムふろしき

「ここんとこをやく60度の角度でなぐるのがこつよ」が好き。「くず~~いおはらい」は読んだときも分からなかったし今も分からない。

のび左エ門の秘宝

「ちぎれてて,ないよ」のパパの顔が好き。

好きでたまらニャい

自動的にごはんを食べるドラえもんが傑作。この刃物?が何なのか依然謎。ヤスリか?かつおぶしをちゃんと削っていることが判明する。この時代は皆そうだったのだろうか?

ドラえもん未来へ帰る

さようならドラえもんよりも設定がきちんとしている。時間旅行きせい法。

未来から来たドラえもん

111年後から来た設定になっている。これだと2081年で,おかしい。かくし芸といえば「メロディーガス」を思い出す。しずちゃんのヴァイオリンのできが良い設定になっている。またのび太の歌が酷いことになっている。

やきゅうそうどう

引っ張りすぎて服が脱げるのは初期の標準的な設定なのか。

オーケーマイク

のび太と遊ぶとろくなことがないという話はここでも。

まんが家

学年誌の場合,のび太はその学年の設定のようだ。タイムテレビも事実ではなく仮定を表示しているように見える。二年生向けなのでそのあたりは厳密ではないのだろう。「なあんにもないや。キャハハハ」は他でも見られるが,その後の「けっさくウヒョホホホ」が傑作。漫画家を手伝って失敗するのは「まんがのつづき」と同じ。

恐竜ハンター

眼鏡をすぐに買ってもらえたところが良い。

ご先祖さまがんばれ

スネ夫がテレビに出たのをうらやましがっていたのが,だんだん自慢話に呆れてきているという変化が見られる。有名な「どっちも,自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ。」が出現。

古道具競争

スネ夫が古い物の良さを語るが,読んだときサッパリ分からなかった。今でも懐かしいとは思わないわけで,スネ夫の感性は特殊である。葉っぱの後しずしゃんも喜んで追いかけているところが良い。「どーしましょ」が「ちょ~ちょ,ちょ~ちょ,ヒーラヒラ」になっているが,笑いが止まらない。途中から客でもない町の人まで取り替えられているのが滅茶苦茶で良い。

ソーナルじょう

のび太が泳げないことはスネ夫しか知らなかったのが意外である。のび太のネガティブさに腹が立ってくる話である。

うつつまくら

ドラえもんの中で最も好きな話の1つ。

のろいのカメラ

「かわいくないなあ」であげちゃうのがなんとも良い。

おばあちゃんのおもいで

のび太の祖父は生まれる前に死んでおり,祖母も幼稚園の時に死んでいるわけだが,この当時ではそれが普通だったのだろうか。今からするとちょっと早いよなと思うわけである。重要なのは,この時点でもう結婚相手がしずちゃんになっている点である。

エスパーぼうし

灰皿が当たった時の音が「ゴイン」になっている。

手足七本目が三つ

目のないドラえもんがムスッとしているのがかわいい。

ドラえもんだらけ

「やろう,ぶっころしてやる」「しょくんのおかげです」がお気に入りのセリフ。最後の「どらやきこわい」が良い。

のろのろ,じたばた

「やきいもは,食べるまえにおならをする」「フア~」が好き。

タイムマシンで犯人を

校長に言い訳するところが良い。スネ夫のドラえもんが怒ると怖いと考えるところが良い。

うそつきかがみ

「目はたがいちがいに」ってw。

あやうし!ライオン仮面

フニャコフニャ夫が泡吹いて倒れてんのが良い。僕はいつも名探偵コナンの話が進まないのを指してライオン仮面と呼んでいる。

かげがり

とりもちなんて知らないわけで,まあそういう餅なのだろうと思っていた。

アリガターヤ

557ページ左下の顔が最高。まだ目が互い違いになっている。

ロボ子が愛してる

「ごめんね,ごゆっくり」のひどさ,さすがしずちゃんである。

ドラえもんの歌

「いるす」の意味が分からなくて,まあなんか隠れていることなんだろうなと思っていた記憶がある。ドラえもんで得た語彙は少なくない。コオロギというと「虫の声を聞こう」を思い出す。

プロポーズ作戦

「なにをにやにやしてるんだ」の時のパパの顔が前から不思議で,酔ってるのかと。600ページの「?」が間抜けで良い。

夜の世界の王さまだ!

大変有名な「いや,そのりくつはおかしい。」である。ママがラーメンを作って持ってくるが,胡椒が乗っているのが良い。また足の出ないパジャマも良い。

勉強べやの大なだれ

スキーと縁のない人生なので,転ぶ転ぶというのがどの程度のことなのか分からないでいた。ひみつ道具がコンセントに繋がれることは珍しい。そしてこのために停電になるが,停電の確認にママがアイロンを触っているのがすごい。この時代はこうだったのだろうか。間違いなくやけどする。

のび太のおよめさん

2000年近くになって,交番で引っ越した家の場所を教えてもらえるとは。ところで,ここで結婚相手がしずちゃんになっていることが驚きをもって示されている。トイレに入っていた現代人の服装が株札みたいな柄。

ドラえもんがいなくなっちゃう!?

効果が無いので帰るというw

石ころぼうし

石ころぼうしの本当の説明を読んだ時,いかにも姿が見えなくなったような扱いがなされるのはおかしいではないかと思ったものである。血眼になって探されているときに,気にされないというのはおかしく,はっきり見えるはずなのだが。衝撃的なのはしずちゃんが親に言われて風呂に入っているところ。自分の趣味ではなかったか。

してない貯金を使う法

作れないプラモを買うのが間違い。ドラえもんはゴム毬の手でよく参加したものだ。

N・Sワッペン

このタイミングでは小学6年の設定だと思われるが,小6で磁石のN・Sを知らないのは本当におくれている(授業で扱われると思う)。ワッペンがとれないとはどういうことなのか。

ママのダイヤを盗み出せ

ここにも「忘れもしない+日付」が。母方のおばあちゃん登場シーンである。

珍加羅峠の宝物

どう見ても100万円であり小学生にとってはとんでもない臨時収入である。使い道が気になる。

怪談ランプ

ママの怖い話はとても面白くて良い。警官の前に泥棒が飛び出している点が良い。

月給騒動

タイムマシンの使い方が本当に下手で腹が立ってくるが,それがドラえもん。しかし全額まるまる返ってくるのだからさすがである。

未来からの買いもの

スキーは乗れないからいらないと言っていたが,自転車は乗れないけど欲しいという論理。2087年にはのび太が乗っても倒れない自転車が発売される。今の技術開発はその方向に進んでいるか。自転車は誰でも乗れるという強い仮定を置いていないか。

一生に一度は百点を…

のび太の机の上は物がなくとてもきれいですばらしい。スネ夫は宿題が終わっていないが,しずちゃんは終わっている。「サラサラサラノチョイチョイ」がとても好きで強く記憶に残っている。ありっこないと言ってしまう親。ジャイアンの親も同じ方向性だが,結果的に立派である。ドラえもんに至っては本当に100点を取ったときに不正を疑うわけだが。

いやなお客の帰し方

効果としては家に帰りたくなる,という説明であり,ママもまた突然帰りたくなっているのだが,社長だけ物理的に体が引っ張られているだけで全然帰りたくなっていないのが面白い。「うらおもてなしのノッペラボー」は未だ理解できず。メビウスの輪をドラえもんで知った人は多いのでは。しかしこのテープ,極めて特殊な例を示されただけで,使い方は全く分からないな。最後,ラッカーなど剥がす必要がないのに何をやっているのかと思っていた。

出さない手紙の返事をもらう方法

ママはインクにペン!自分の手紙くらい自分で出せ!w

ユメコーダー

オチが落語(これはもうぼくドラえもんでもずっと言われていることだが

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あの日,何者かによってレッドブルがKOMCEEで配布された

 

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