イタリア語でbaccaとは英語でberryのことらしいが,容易に察することができる事情でパスタを茹でることができず大変辛い思いをしてきたこの1年半であった。微塵もその可能性を考えなかったのだが,電子レンジで一部のパスタを茹でられる器具があることを知った。
すぐさま「絶品レンジでパスタ」なる製品を購入した。言うまでもなく「絶品」は「レンジ」を修飾する。当然,電子レンジもハイアールのものから東芝のものへ買い換えた。
電子レンジでパスタを調理する道具はいくつか出回っているようであるが,湯切り不要であることと,鍋で茹でるより美味しいなどと謳っていたので選んだ。また,アマゾンのレビューやTwittreのコメントなどを見ると,説明書通りに作らないと失敗するとのことだったので,説明はスラッシュリーディングを駆使して読み込んだ。
結果的に出来上がったのがこれ(パスタはバリラ・スパゲッティ・n.5)。
旨いがやや物足りない。それは塩を入れていないからだと気づいた。塩を入れないと水分を吸いすぎることが知られている。ところが鍋で茹でるときのように1%もの塩を加えることはできないから,ひとつまみ。そうすると格段に良くなる。
お湯を入れてからパスタを入れるのが説明書通りなのだが,これを逆にしてみると,なぜか3回に1回くらいの割合で麺がくっついてしまう。箸で多少混ぜてもダメ。
ペンネリガーテは規定の時間だと柔い。またお湯が余るので湯切りをした方が良い(写真はアッラッラッビアータ)。
リングイネも良い。
ソースはどうしようもないのでレトルトのものを買っている。これも毎日食べると種類は少ない。具材を追加すればまだ良いがそういうこともできないでいる。
魚介系のソースはそのものがそれなりの大きさで入っていないと本当に香りだけで物足りない。アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノは差別化したいのか色々なものが入っておりごちゃごちゃしてややこしい。トマトソースもパルミジャーノくらい乗せたいなと思うわけである。そうなるとチーズ系が良い。ブラックペッパーを追加でかけるくらいで良いからだ。数十種類食べ比べてみて,今のところ一番旨いと思うのがキューピーの「だし香る釜玉風」。もはやチーズですらない。湯煎までしてこれかよと思うものが多いので,もうふりかけタイプでいいやと開き直ったところ正解に行き着いた。どうせちゃんと茹でないんだから手軽でいいのだ。