40代は会社員ならば中核・主力の従業員である。入社20年を経過しており,会社のことは一通り分かるし,人脈もあるし,経験もある。この時期に部長になれれば50代で執行役員になるだろうと想像がつく。
スポーツ選手ならば,ゴルフなどを除けば引退する時期か,既に引退している。キャリア末期と言うよりも終了後である。
政治家ならば,新人・若手の領域である。
従って,人生は,まずスポーツ選手をやって,40代で政治家に転身するのが最適である。会社で大活躍している40代が政治家になるのは経済界にとって損失である。公務員でも同様である。一旦「アガリ」を迎えたスポーツ選手であれば,何ら損失はない。しかも若手としてスタートできるため,連続当選できれば60歳手前で入閣も視野に入る。
このように考えると,よく参議院に出てくるスポーツ界出身の政治家は個人のキャリア戦略としては理に適っているのではないか。1期目はともかく,2期目以降はそれなりに経験もあるわけだから,人によっては仕事もできるだろう。
ここまで書いて,実例を見たくなったので,調べる。
- 朝日健太郎(参院2期・自民党):バレーボール。平成24年引退。平成28年(40歳)初当選(東京都)。
- 石井浩郎(参院3期・自民党):プロ野球。平成14年引退。平成22年(45歳)初当選(秋田県)。
- 松野明美(参院1期・日本維新の会):マラソン。平成7年引退。平成22年(41歳)熊本市議初当選。市議2期,県議2期を経て,令和4年参院初当選(全国比例)。
40代で政治家に転身した元スポーツ選手を調べたが,引退から政治家になるまで間が開いており,実例にはならない。現職においては実例はないということである。