拒絶の理由を発見しないから

その責めに帰することができない理由でブログを書いています

e特急券よりもえきねっとの方が安い

西荻窪駅(画像は加工しています)

 学生の頃は帰省時などは新幹線を使っていたが,学割の使用は欠かさなかった。面倒なのは,乗車券を学割で買おうとすると窓口に並ばなければならない点であった。どの駅のみどりの窓口も縮小傾向であるにもかかわらず大行列である。大きな駅ほど混んでいるので,適当な駅で発券してもらうのがコツだった。

 何の割引もない,ありふれた経路(品川-岐阜羽島とか)の切符を買うだけなら,券売機を使えば良いのだが,絶対に新幹線の切符は窓口で買うと決めている人が東京には500万人くらいいるので,本当に窓口を必要としている人へのアクセシビリティが低い(外国人旅行客なんかかわいそうなもんだ)。

 思い出されるのは,大学2年のときだ。JR沿線に住んでいなかったために,帰省当日に山手線の駅で乗車券を発券すれば良いと思っていた。わざわざ別の日に交通費を払って切符を買っていたら,割引してもらう意味がないからである。物性科学か何かの試験が終わって,大急ぎで電車に乗ったのだった。渋谷駅に着いたらあまりにも並んでいるので購入を断念し,品川へ向かった。17時11分に駅に到着した。切符を買えたのが24分頃,新幹線が27分であった。結局渋谷-品川間の料金を払ってしまっている愚かさよ。

 会社人になって,ようやくこの煩雑さから解放された。e特急券ともおさらばし,モバイルSuicaで新幹線に乗るようになった。ところがEX予約の運賃が不当に上げられることになった。何が不当かというと,指定席と自由席の価格に差を付けた点が不当である。世の中の交通費は最低額を出すのが原則である。従って新幹線を使うのであれば,自由席料金が支給されるケースはゼロではない。ビジネス用途こそ収益の柱なのに,利用者個人に負担を強いている点が不当である。JR東海は本当にセンスがない。飛行機のマイルやアパホテルのキャッシュバックなど,会社に費用を出させておいて利用者個人にキックバックするのが商いの基本である。マイルについてはあまりにも皆やっているので国家公務員でも已むなしといった状況である(旅費業務に関する標準マニュアルによれば「自粛」(笑))。

 そこで(どこで?),新大阪-東京,名古屋-西荻窪,岡崎-西荻窪の3パターンについてどうしたら指定席にタダで乗れるかを検討した。

計算方法

  • ビューゴールドプラスカードを使うと,えきねっとにおいてポイントが8%貯まるが,えきねっとにおいては東海道新幹線の割引はない。
  • EX予約のみを使う場合,新幹線以外の路線はSuicaで乗車する。Suicaはビューカードを使えばポイントが1.5%貯まる。
  • e特急券とえきねっと乗車券を組み合わせることも検討する(というかこれがメイン)。
  • EX予約にかかる部分は,0.5%のポイント付与率で計算する。また,10月以降の新運賃を用いる。
  • EXプラスの場合,ポイント還元率はカードに依存する。また,カードの年会費もカードに依存する。
  • ビューゴールドプラスカード,EX会員の年会費を考慮する。

新大阪-東京

 最も無駄のない乗車パターンである。

  6往復/年 12往復/年 24往復/年 48往復/年
自由席現金 109,440 218,880 437,760 875,520
えきねっと 115,340 219,680 428,360 845,720
e特急券 118,240 224,380 436,660 861,220
EX予約 117,608 234,116 467,132 933,164
スマートEX 118,056 236,112 472,224 944,448

名古屋-西荻窪

 片方だけEXに無駄がない乗車パターンである。

  6往復/年 12往復/年 24往復/年 48往復/年
自由席現金 126,720 253,440 506,880 1,013,760
えきねっと 133,556 256,112 501,224 991,448
e特急券 136,276 260,452 508,804 1,005,508
EX予約 135,812 270,524 539,948 1,078,796
スマートEX 137,340 274,680 549,360 1,098,720

岡崎-西荻窪

 両側ともにEXに無駄が生じる乗車パターンである。

  6往復/年 12往復/年 24往復/年 48往復/年
自由席現金 109,440 218,880 437,760 875,520
えきねっと 115,340 219,680 428,360 845,720
e特急券 118,240 224,380 436,660 861,220
EX予約 117,608 234,116 467,132 933,164
スマートEX 118,056 236,112 472,224 944,448

結論

 月に1回程度の利用では指定席にタダでは乗れない。3パターンいずれにおいても,e特急券よりえきねっとを使いビューゴールドプラスカードで購入した方が安い。ただしいずれも,月2往復の利用では自由席料金を下回る。

 従って,月に2回以上使う前提においては,座席指定や無制限の変更,そしてグリーンプログラムに魅力があればe特急券+えきねっとを,そうでなければえきねっとのみを使う。

 尤も,例えば新大阪-東京間を月に2回往復すると,グリーンポイントが年間で4,320ポイント貯まる。のぞみのグリーン車に4回追加料金なく乗れるので,差額4,870円×4=19,480円得したことになるし,グリーン特典を博多-東京間で使えば,29,040円の得である。この点を考慮しても,EX予約がe特急券+えきねっとに勝ることは,今回の検討範囲では無い。

 以上は,通常運賃が値上げされ,EX予約の割引率が元に戻れば変わる可能性がある。また,計算ミスがあるかもしれない。Suicaに使うビューカードの年会費は算入していないなど,若干の誤差もある。またビューゴールドプラスカードがえきねっとでJR東海の切符を買ったら還元率を下げるなどと言い出したらおしまいである。

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