非IT企業でITをやる会社人になって半年が経った。あらゆる感覚に変化を来しているように思われる。せっかくなので書き記しておきたい。
「AI」への抵抗がなくなった
あれだけ「AI」という言葉に抵抗があったのが,今では口を開けば「AIAI」言っている。こんなに便利な言葉はない。以下言い換え集。
- 正規表現→「AIではないんですがAI」
- 前処理→「AIというわけではないんですがAI」
- スクレイピング→「AIというほどのものではないんですがAI」
- シェルスクリプト→「AIみたいなもん」
- SVM→「AI」
- CRF→「AI」
- BM25→「AI」
- GloVe→「最強のAI」
- Flair→「最先端のAI」
- Transformer→「ついこの間発表されたばかりのAI」
本質は本質ではないことが分かった
大学院時代は,課題の本質は何か?と常に自問自答し,自分でスクラップアンドビルド・パブリッシュオアペリッシュを繰り返していた。
会社人になって分かったことは,本質的な問題は解けないということである(これはもう当然自明なのである。解けるならとっくに解かれているからである)。従って解ける問題を解くために本質を追求していくのだが,それは本質ではないのだ。そしてこのことはほとんどの人が理解しているというのも実に面白い事実である(東大卒しかいないので当たり前)。
極めてわかりやすい例を挙げよう。売上げを上げることが本質だがそれができないために数字を操作して純利益をなんとか計上するといった,どこの会社でもやっていることである。そこで財務諸表の本質とは何か?などと問を立てるのである。親会社株主に帰属する当期本質はゼロである。
だが,これでめちゃくちゃ儲かるのだから良いのである。金が稼げない大学院の方が大問題である。
健康保険料への怒りが募る
健康保険料が高い。厚生年金は百歩譲って将来帰ってくる金だから良い(よく年金はもう終わりだといった論調が見られるが,我々が年金をもらう頃には我々は最も発言力のある世代であり政治家は我々の票のために動くので悪いようにはならないと思っている)。健康保険料が所得税より高いのはどういったことか。GPIFだか何だか知らないが,こちらを運用で何とかしてほしい。無理か。
所得税はめちゃくちゃ安い。こんなものは議論の俎上に載らない。