とある事情で旅行に行かねばならないことになった。どこへ行くか。行ったことのないところが良い。それならば,乗ったことのない国内線の飛行機で行きたい。空港と都市部の移動が簡単な地域が良い。これらの条件から割り出されたのが,松山であった。
出発の何時間前に着いたらよいか分からないでいたところ,ANAから「羽田空港は混雑しているから早く来い」という旨の脅し通知が僕のバカフォンに来たので,予定を繰り上げて早起きし,2時間前に到着したが,チェックインはオンライン,手荷物預かりも自動で,保安検査も並んでいたが10分くらいで終わってしまい,結局1時間半を持て余した。
松山空港に到着後,空港リムジンバスで大街道へ向かった。だいかいどうではなく,おおかいどうで驚いた。ここで,麦味噌の豚汁を食べたのだが,これが非常に旨い。汁を飲んだ直後に旨味が来て,その後,もう一発旨味の波が押し寄せるのだかこれが強烈であった。鯛めしというのもあったが,薬味が多く味がごちゃごちゃしてしまってよく分からなかった。
松山城にロウプウェイで登った。現存天守だとそこで知った。現存の城に登るのは久しぶりである。ハシゴみたいな階段がいかにもである。再建であっても,城に行けばその地域の歴史が一通り分かるので楽なのだが,松山城は展示が少ない。普通,「まだ江戸時代なの?」と思うものだが,気づいたら大政奉還していた。あまりにも展示する物がないのか,展示に関する展示があった。
あの,ありとあらゆる髙島屋の優待が使えないことで有名な「いよてつ髙島屋」に寄るだけ寄って,松山市駅で「い~カード」を購入して路面電車で道後温泉へ向かった。
道後温泉本館は入り方が調べても分からなかったので,行かないつもりだったが,並んでいたのでそれで良かった。旅館に入ると受付がえらく混んでいて,全国旅行支援を使ったのにクーポンをもらえないどころか,身分証明書の確認すらされなかった。いいのかこれ。
翌日は朝早く起きてタクシーでJR松山駅へ向かった。タクシーの運転手が,車のマナーが悪いと嘆いていた。どこも同じというものだ。旅行先でタクシーには乗るものである。
新居浜では,別子銅山記念館を訪れた。1時間くらいで手早く見てしまおうと考えていたのだが,意外にも展示が多く3時間かかった。住友グループに詳しくなった。
帰りも早く松山空港に着いてしまった。恐らく手荷物を預けたのも最初だったのだろう。羽田で一番最後にかばんが出てきて思わず笑ってしまった。